近い関係の方がなくなったとき、子どもに死について説明することって難しいですよね。今回は絵本を読みながら、死ぬということや寿命について考えるきっかけとなる3冊を紹介します。
まずは「おじいちゃんがおばけになったわけ」。
おじいさんが突然心臓発作で亡くなった少年に、お母さんは「天使になったんだよ」と説明し、お父さんは「土になったんだよ」と言います。
でも、少年にとってどちらもぴんときません。
そこに、おばけとなったおじいちゃんが現れ、「この世の忘れ物」を一生に探すことになります。
そして、真相にたどり着いたとき、少年と一緒に、読んでいるこちらも涙が流れてきます。
続いて、「おじいちゃんのごくらくごくらく」。
上記の本が西洋の死生観に沿っているなら、こちらは日本の死生観。
「ごくらくごくらく」が口癖のおじいちゃんが、身体を壊して亡くなり…
こちらも少年が主人公ですが、最後の場面で、サトリを得たように幸せな気分になります。
西洋と東洋のこの2冊は、ユーモアたっぷりな絵本と、人情味のある絵本と、対照的ですが、どちらも似た結論に達するのは、たとえ宗教や習慣が違えど人間の根っこの部分の考えは同じと言うことでしょう。
最後に「ぞうのさんすう」。
人間だけでなく、長生きするという象にも寿命があります。
100年生きた象を主人公に、足し算や引き算の算数をしながら、最後にゼロの概念を知り、命について考えられる興味深い構成の絵本です。
3冊合わせてこどもたちに読み聞かせてみて、生きることの尊さを感じてくれるきっかえになるといいですね。